火曜日の夜はレオス・キャピタルワークスで行われたひふみ投信の運用報告会(ひふみアカデミー)に行ってきました。
ひふみ投信 2010年2月度 報告書(ひふみのあゆみ)
http://www.rheos.jp/hifumi/information/monthly-report/hihumi_ayumi_2010Feb_v.pdf
騰落率:-2.83%
純資産総額:4.55億円
株式:80.19%
現金:19.81%
組入銘柄数:43
組入銘柄
1位:小松製作所
2位:三菱商事
3位:楽天
4位:デジタルガレージ
5位:アスクル
6位:日本電産
7位:ワタミ
8位:ニトリ
9位:ユニ・チャーム
10位:エヌ・ピー・シー
先月の株式比率が74.98%、先々月が67.38%ですので、積極的に株を買い向かっています。
これは目先にギリシア問題など弱含み要因を抱えているものの、1〜2年先を見ると世界経済の成長に賭けた方が得策だと感じているからになります。
半年前までは内需/成長株を組み入れていたために、生活防衛という景気の悪化の中でも結果は悪くなかったが、今後の方針は1.世界の景気回復の恩恵を受ける会社 2.市場置き換え型の会社 3.ニッチ市場で強い会社を組み入れていくとの事です。
世界経済の回復で恩恵を受ける会社:
新興国向けに技術力が高く経営力に優れる会社
例.小松製作所、三菱商事、日本電産、ユニ・チャーム、エヌ・ピー、シーなど
市場置き換え型:
既存の製品でも売り方を変えることで成長が見込める会社
デジタルガレージについてはTwitterの成長に賭けている。いつ収益化するかという問題はあるもののAmazonも黒字化する前でも利用者が増えるのに比例して株価が上昇した。Twiterも同様の事が見込めそう。
日本は成長はないかもしれないが、市場規模が大きいので伸びる会社はある(北海道だけ切り出しても世界で35位の規模)例えば今まで百貨店やスーパーで買っていた家電製品は家電量販店やネット通販に置き換わっている。
ニッチ市場:
他にはない製品で差別化が図られている会社
また、現在は銘柄を内需成長から外需成長型へ切り替えている過渡期のため銘柄数が一時的に増えているが、最終的には34−5銘柄程度に収まる予定という事でした。
他にも運用部の方の話を聞くコーナーもあり、Twitter転職をした佐々木さんは前職ではコンサルタントとして企業をやんわりしかるのが仕事だったが、現在はアナリストとしてたくさんディスカッションをして投資に結びつかないか考えているそうです。
また、企業訪問をしていて感じる景況感はある会社にべったり依存している会社は厳しいというが、特定の企業に依存していないある程度距離をおいている会社は海外からの需要で意外に景況感はいいという事でした。
続いて運用部長の湯浅さんから京都にある昔からあるメーカーに企業訪問した際、たくさんいる受付嬢やIRレディ、20年以上前に作った作業服といった昔の成功体験にしがみついていて変革がなく、苦労している姿を見て残念に思ったという話がありました。
質疑応答の中で藤野さんから企業訪問をしたからといって会社の本質を100%知ることはできないが、行ってみることで0だったものが1にはなる。0と1では大きく異なっていて、100まではいかないものの手がかりを得る事ができるという話がありました。事業分析とインタビューを組み合わせる事で中にいては見えない部分が見えてくるので現場の情報を知ることが大切と考えているそうです。
ファンドマネージャーについて、日本には異動の過程でファンドマネージャーになるというパターンと職業としてファンドマネージャーを目指す人の2つのパターンがあるという話が印象的でした。
生保、損保、信託銀行のFMはまさに配属されたファンドマネージャーで、その中でもFMに職業意識を持った人は外資に転職したり独立したりするそうです。
イメージでは後者こそがファンドマネージャーという感じですが、現場では意外に違うものなのですね。
海外はお金持ちが預けてくるお金を運用する「運用業」として認識されているのに対して、日本はあくまでも預金の二次利用としての「運用」でしかないという話もありましたが、この話は藤野さんの話でよく出てくる日本の運用会社は金融コングロマリットの中では本業に位置付けられていないので、「運用業」として認知されるようになりたいという「運用業務」に対する愛と強い決意を感じます。
久々の参加でしたが、とても為になる話を聞けた1時間30分でした。
直接運用している人の話が聞けるので、これからひふみ投信をはじめようと思っている人も是非参加して欲しいです。