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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

ひふみ投信とインデックス基本4資産分散を比較してみる

レオス・キャピタルワークスひふみ投信は相場の見通しに応じてキャッシュポジションを機動的に動かして「守りながら増やす」運用というのが特徴です。

そんなにうまいことキャッシュポジションを調整することは難しいと考えられていて、素人は基本4資産に均等配分しておけばベターな結果(そしてそれはベストに近い)と考えられています。

実際のところ、ひふみ投信のキャッシュポジション調整能力はどうだったのでしょうか?

ひふみ投信は国内外の株式や債券などに投資することができるように設計されており、キャッシュポジションも最大で50%まで持つことができます。キャッシュ50%に株式50%ですので、比較対象としては国内株50%、国内債50%でも良いのですが、今は国内株しか投資していないとはいえ、海外株へも投資可能ということから、最も基本的な投資対象である基本4資産へのインデックス投資と比較してみたいと思います。

今回は比較を簡単にするために中央三井アセットマネジメント4資産インデックスバランス(成長型)を比較対象に選定しました。

このファンドは国内株、外国株、国内債券、外国債券の4資産に均等配分します。

信託報酬は年率 0.6825%

対するひふみ投信の信託報酬は年率 1.03%

直近1年間の値動きを比較したグラフがこちら(分配金は両ファンドとも0円です)

青:ひふみ投信

赤:4資産インデックスバランス(成長型)

日本株式とキャッシュポジションのみにも関わらず、基本4資産に均等投資したのと近いのが見て取れます。

値動きの幅(ボラティリティ)についても基本4資産に分散した場合と同じ程度に抑えられていて、これ一本で全ておまかせという性質が実現できていると言えるのではないでしょうか?

ひふみ投信の月末時点でのキャッシュポジションは以下の通り。

グラフと比較して見てみるとキャッシュポジションを調整しているのがわかります。

2010年5月末:13.39%

2010年4月末:25.99%

2010年3月末:19.79%

2010年2月末:19.81%

2010年1月末:25.02%

2009年12月末:32.62%

2009年11月末:40.35%

2009年10月末:38.47%

2009年9月末:47.83%

2009年8月末:46.99%

2009年7月末:48.96%

2009年6月末:38.62%

2009年5月末:38.19%

2009年4月末:32.09%

2009年3月末:32.65%

2009年2月末:45.15%

2009年1月末:37.66%

2008年12月末:2.41%

2008年11月末:0.95%

2008年10月末:1.57%

ちなみにひふみ投信設定来からの比較はこちら

青:ひふみ投信

赤:4資産インデックスバランス(成長型)

設定していきなり襲ったリーマン・ショックをうまく乗り切った貯金が効いて、大きくリードしています。

単なる日本株ファンドとは違う値動きなのはTOPIXとの比較でも明らかです。

アクティブファンドなのでこれから先もこのような運用が続くとは保証はできませんが、いつ買って、いつ売ってもいい積立向きなファンドと言えるのではないでしょうか?

5年以上保有すると一部信託報酬分が還元される仕組みがあったり、運用者の声を聞く機会が多く設定されていたりと、直販運用会社として個人投資家を向いて活動しているというのも長期でお付き合いするのに向いていると思います。

まとめ:

・ひふみ投信は単なる日本株投信と思っちゃだめ

・むしろ株50%:債券50%のグローバルバランスファンドっぽい穏やかな値動き

・資産配分を考えるのであれば日本株として考えるのではなく、別枠で考えた方がいい

・これ一本でおまかせという言葉は伊達じゃない