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"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

コモンズ30ファンドがソニー銀行で取扱開始

コモンズ投信のコモンズ30ファンドソニー銀行でも販売されることになりました。

これまで直販という方法で投資家と運用会社が密にコミュニケーションを取り、運用哲学を共有した上で、長期投資をしてもらうという事に取り組んでいましたが、そこにネット銀行による販売がプラスされた訳です。

これまで直販のメリットとして下記の点があげられていました

・投資家と運用会社が直接コミュニケーションできる

・販売会社の取り分を無くすことで信託報酬を抑えることができる

1つ目のコミュニケーションについては、販売会社は相場が良い時に売りたがり、相場が悪い時には触れたくないという性質があり、運用会社として相場が悪い仕込み時期にセミナーを開催できず、相場が好調で今お金を入れられても・・・と感じる時にセミナー開催を要望されたりと思惑が一致しないケースが多いと言われています。

2つ目の信託報酬に関しては直売の野菜と同じで、お店を通さず直販することで流通コストを削減できるというものです。

今回、コモンズ投信は直販を引き続き続けるものの、新しい販売チャネルとしてネット銀行を選択しました。

これにより直販のメリットは失われてしまうのでしょうか?

自分はそんな事はないと考えています。

理由はいくつかあります。

ネット証券ではなくネット銀行を選んだ理由

投資信託を販売するのであれば、真っ先に頭に浮かぶのは証券会社です。

その中でも、今はお金のない人一般の人向けという直販投信の志を実現するとしたら対面式証券会社ではなく、ネット証券になるでしょう。

でも、コモンズ投信はあえてネット証券を選びませんでした。

証券会社で販売した場合、一般の人が感じる心理的なハードルは高いままです。

今の運用会社に口座を開くというのもそれなりに心理的なハードルが高いですが、これまで証券投資をしてこなかった人にとって証券会社に口座を開くというのはなかなかできない事です。

その点、ソニー銀行はネット銀行とはいえあくまでも銀行

これまで証券投資に馴染みがなかった人でも口座を開きやすいのではないでしょうか?

ソニー銀行の投信販売のスタンス

また、ソニー銀行の投信ラインナップは徹底したセレクトファンド方式。やたらと商品を増やすのではなく、投資家にとって良いと思われるファンドを選んで提供しています。

そのため、インデックスファンドでも資産クラス毎に中央三井のインデックスだったりSTAMインデックスだったりと提供されている商品がまちまちですが、逆にいうと顧客は同じような商品でどれにしようか迷う事がなくなります。

これは、運用会社の立場から見ると販売会社が取扱商品を次々と増やして目新しいファンドの営業に力を入れるのではなく、既存ファンドの販売にも継続して力を入れているという事になります。

取り扱いファンド数を競っているようなネット証券では初めこそ販売に力を入れると思いますが、いずれ他のファンドの中に埋没してしまうリスクがあります。(埋没しないような突出したリターンを出していれば済む話ではありますが・・・)

セレクトファンド方式のソニー銀行ではコモンズ30ファンドは多くのファンドの中に埋没することを避けることができます。

また、コモンズ30ファンド日本株式のアクティブファンドで唯一のノーロードという事でも存在感があります。

積立にも力を入れているソニー銀行

また、ソニー銀行は積立にも力を入れています。(→積み立てプラン

ソニー銀行では積み立ての最低金額が一万円からという点はコモンズ投信直販とは異なりますが(直販では最低三千円から)、銀行で積立できるというのは利用者にとっては便利だと思います。

また、ソニー銀行では積み立てプランの変更などもネットだけで申込、変更、中止を行うことができます。

コモンズ投信としては、最低金額は高いもののネットで利便性の高いサービスを利用できるソニー銀行経由での購入と、最低三千円からの積み立てができる直販という二つの販売ルートを持つことができるようになった訳です。(販売システムのWeb化というシステム投資を抑えることもできますね)

販売会社を通すことでもちろんコモンズ投信の取り分は減りますが、これまでも機関投資家向けファンドを設定したりとマザーファンドでのファンドサイズ拡大を目指すという方針をコモンズ30ファンドには見受けられましたので、コモンズ投信の志を尊重してくれる販売会社での販売は投資家にとっても利便性向上に繋がるし、いい事だと思います。

最後に

今回、販売チャネルを増やすにあたりソニー銀行を選んだのはいいところを突いたなあという感想です。

きっと顧客向けセミナーはコモンズ投信の望むペースでやっていいというお墨付きをもらっているだろうし、いいパートナーになれるんじゃないでしょうか?

銀行という事で、証券会社のようにガツガツした投資家でもないだろうし、直販にこだわり続けるよりも志を生かせる範囲で新しい販売チャネルを増やしたというのはいい事だと思います。

昨日出た草食投資隊セミナーでコモンズ30ファンドの販売用資料(→こちら)を見て、なんかどこかの証券会社で売りそうな販売用資料に仕上がってるなあと思っていただけに、今回のニュースを見てもやっぱりという感じ。

目論見書を見ると販売会社での販売も視野に入れた書き方をしていたので、どこかで販売されるのを1年待ってたこともあり、1年前にやってたらきっと自分はソニー銀行で買ったと思います。(せっかくなので直販からの積み立てを継続しますが)

今後もコモンズ投信のチャレンジを応援します!

関連サイト

 コモンズ投信

 ソニー銀行