昨年１１月に行われた衆議院選挙で政党助成金を買収資金に流用したとして逮捕された新井正則被告の選挙区（埼玉８区）は恥ずかしい事に、自分のいる所沢市です。
しかも、この事件では買収に関わったとして所沢市議１０人も逮捕されています。この中には所沢市議会の現職議長も含まれていて、定数が３６の市議会で１０人の逮捕者が出るという異常事態になってます。
そもそも、新井被告は２度衆議院議員選挙に落選しており、今回が最後のつもりで何が何でもという事で買収に至ったのだと思っていましたが、２０００年の選挙でも買収をしていたようです。
元市議という事で、同じ自民党系会派「２１議員の会」の仲間に買収資金としてお金を渡していたのですが、この会派は去年行われた市議選では定数３６のうち２１の議席を確保、議場への国旗掲揚をめぐって他会派と対立した際も、他会派全員の１５人が欠席する中議会を開いて押し切っています。更に議会、各委員会の正／副議長職も独占して昔の自民党政治を思い出させる強引さで議会を仕切ってきたようです。
選挙で選ばれたのですから、数の上での有利さを生かすのは当然としても、委員会人事でも要職を独占してしまったり、自分たちだけで議会を開いてしまうとはさすがに行き過ぎの感じがしますし、およそ市町村レベルの議会でこういった事態になっていたとは想像もしてませんでした。
所沢は、俗に埼玉都民と呼ばれる東京都で働く人（自分もそうです）のベッドタウンとして発展している街で、都市部で見られる自民党の基盤が弱い地域と言えます。しかし、いかんせん埼玉都民達の投票率は低く、古くからの農業関係者などを中心とした自民党が得意とする地盤選挙がまだ有効な地域なのです。
４月２５日には新井議員が辞職した事に伴う補欠選挙が行われますが、これだけ組織的に買収に関わっていた自民党からの候補者選びは難航しています。元衆議院議員で前回推薦を得られなかった並木氏は新生自民党として出たいと言っていますが、これだけ古くさい選挙活動をしていた地元自民党が短期間にどれだけ「新生」できるのか疑問を持ってしまいます。
選挙違反があった場合、現行法では本人がやったのでなければ議員を辞職する必要はありません。でも、それだとトカゲのシッポ切りになりかねないので「選挙違反は誰がやっても議員辞職、８年間被選挙権剥奪そして補欠選挙の費用を負担」くらいに法改正して欲しいです。選挙やりなおすのだって税金が使われるんですからね。個人の犯罪で選挙やりなおすんだから、税金が使われるのは納得いきません。とはいえ、わざわざ議員が自分に不利になる法律作るとは思いませんが。
衆議院補欠選挙は参議院選挙の前哨戦とも言われて一躍注目の選挙になってしまいましたが、有権者の人にはしっかり人と政策を吟味して投票をして欲しいです。
他にも、市議会は大量の逮捕者が出て崩壊しちゃってますからね。来年度予算も審議しないといけないのに大変です。所沢市民としてはこっちの方が重大かも。でも、市議会の補欠選挙では今の与党会派が壊滅的なダメージを受けているので、一気にクリーンな政治に切り替えるチャンスでもあります。
もともと、去年行われた市長選挙で現職市長の対抗馬の抽象ビラがまかれたりしてたので、所沢って変な所だなあという印象を持っていたのですが、今回の事件でいかに腐敗していたのかよくわかりました。
今の自衛隊のイラク派遣問題だって、自民党から見たらついこの間やった選挙で自民党が政権政党として選ばれた＝国民の支持を得られたという事になっているんです。
イラク派遣反対と叫んでいる人のうち、どれくらいの人が選挙で投票したでしょうか？デモに参加するのも結構ですし、草の根運動をすることも大切です。でも、一番大切なのは国政に参加する事すなわち選挙できちんと投票すること。これです。
実際はイラク問題は反対だけど他の面で自民党支持という人もいるでしょうけど、議員はそういう風に受け取らないですからねぇ。結局人で選んでも、その人は国会で自分の意見よりも政党の方針に従わないと罰せられたりするという現実を考えると政党って融通がきかない制度だなっても思います。
[新井派選挙違反を生んだ所沢市 朝日新聞より]:http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?kiji=4905
[新井議員辞職願提出で各政党、補選準備へ 朝日新聞より]:http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?c=18&kiji=5
[市議会最大会派「２１議員クラブ」空中分解か 朝日新聞より]:http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?c=18&kiji=4
