山崎元氏のコラム「第七十回 ETFを使った個人資産運用〜簡便法〜」が各所で話題になっています。
TOPIXとMSCIコクサイに連動したETFを4:6もしくは5:5に投資すると簡便法としてはそれなりに効率的な運用ができるというもの。(リスクは16.673なので単年度で33%程度の下落は容認する必要がありますが)
ただ、この計算ってTOPIXもMSCIコクサイもリターンを1月8日の長期金利にリスクプレミアムとして6%を足した7.45%と仮定した場合の値なんですよね。
過去のリターン実績に基づいた値じゃなくていいんだろうか?ってのが個人的な疑問でした。
そして、これまた最近各所で話題の「投資信託ベストガイド2008年版」にイボットソンのおすすめポートフォリオ三種が掲載されていたのですが、それは山崎氏の推奨ポートフォリオに近いものでした。
イボットソンが作った想定年間最大損失率が30%程度のポートフォリオってのが
・国内株 35%(TOPIX)
・外国株 55%(MSCIコクサイ)
・国内債 5%(NOMURA-BPI総合)
・外国債 5%(シティ世界国際インデックス[除く日本])
というもの。
債券が10%入ってるけど4:6に近い数字です。
そしてもう一つ、QuickManeyLifeにあるコラム「ETFで始める分散投資」の三回目で同じくイボットソンの小松原宰明マネジングパートナー・CIOが提示したモデルアセットアロケーションの積極型がこんなのでした
・国内株 32%
・米国株 26%
・欧州株 21%
・太平洋株 8%
・新興国株 8%
・米国債 3%
・米国不動産 2%
期待リターン 11%
リスク 16%
これを単純化すると
・日本株 34%
・米国株 33%
・欧州株 33%
でもリターンや標準偏差はほとんど変わらないとあります。
って事はMSCIコクサイの約半分がアメリカ株なのでもう少し単純化すると
・外国株 66%(MSCIコクサイ)
っていうのでいいんじゃないか?という結論に(個人的に)達しました。
ちなみに、投資信託ベストガイド2008年版で各資産のリスク/リターンの一覧ありましたが、計算してみるとQuickManeyLifeのコラムでもイボットソンは同じようなリスク/リターン値を使っているようです。
個人的には新興国株を残して
・外国株 58%(MSCIコクサイ)
でもいいかな?と思いますが、単純化するなら1/3が日本株で2/3が外国株というポートフォリオでしょうね。
債券を除外したリスクありすぎな感もあるポートフォリオですが、年間最大で35%くらいの損失に耐えられる人にはこの超簡便型アセットアロケーション(資産配分)は有効だと思います。
ちなみにこの資産配分だと1年リターンは概ね(95%の確率で)プラス43%〜マイナス32%程度と想定されます。
イボットソンの小松原氏はあまり単純化せず多くの資産に分散させておいた方が市場環境の変化に対するショックに強くなります」とも言っていました。
ちなみに、コモディティやオルタナティブを追加するよりも個人向け国債(10年物)のようにリスクを抑えつつも金利上昇のメリットを享受できるものを組み込んだ方がいいそうです。
もともと自分はバフェットの「株価が半分になって狼狽するような株には最初から投資しない」という個別株集中投資の教えから入っているので、年間32%くらいのマイナスは別に享受できるんですよね。追加資金も入れるから働いているうちはそこまでひどくはならないだろうし。
せっかく株価も下がっている事だしシンプルな資産配分にしてみよっかなぁ。