Site.M from 新所沢

"いい投資"探検日誌 from 新所沢の過去ログ#1(2003年7月〜2012年3月までの記事)

北極の氷が溶けても海水面は上昇しない?

北極の氷が溶けると海水面が上昇するという説に対して、水を満たしたコップに浮かべた氷が溶けてもコップから水が溶けない例を引き合いに出して海水面は上昇しないという説があります。

「地球を殺そうとしている私たち」によると確かに直接的にはそうなのですが、北極の氷が溶ける事による二次、三次作用で海水面は上昇するそうです。

雪や氷は白いので太陽からのエネルギーのほとんどを宇宙に向かって反射するのですが、氷が溶けて陸地や海になると太陽のエネルギーを受けて熱を帯びます。(陽の光に手をかざすとあったかいのと同じ原理)

そのため、地球が太陽から受ける熱エネルギーが雪や氷の面が少なくなった分増えてしまいます。

そして、気温が上がった結果また氷が溶けるという循環に入るのですが、その過程で海水温も上昇します。水は温度が上がると膨張しますのでその分海水面は上昇するのです。ただ、熱膨張による海水面の上昇は今後500年で0.5〜2mに過ぎません。

また、元々海に浮いていなかった南極大陸の氷やグリーンランドの氷河などが溶け出した水が海に流出すると海水面の上昇につながります。(地球上から氷が全てなくなると60〜70m海水面が上昇するそうです。)

こんな感じで直接の原因ではないけれども北極や南極の氷が溶けると温暖化が加速されると同時に海水面も上昇するのです。

ただ、テレビなどで大々的に宣伝されているほどの上昇ではなく、今後数世紀の間にせいぜい2〜3m程度の上昇というのが科学者たちの見方です。それでもツヴァルやキリバスなどの珊瑚礁にある国家は海中に沈んでしまう危機に瀕しているの事に変わりはありません。